串揚げ処、はん亭として先人が残した古い建物を営々とまもってきました。この世紀の初めになって、道路拡張の施行が決まり、建物の前面が削り取られることになりました。その傷あとを大きな「鉄の矢来」で被い、「やらい」のすき間を通して古い「かたち」が見え隠れする「現在」と「過去」が混在する新しいかたちの建物になりました。明治時代に建てられ、関東大震災にも耐えた総けやき造り木造三階建ての日本家屋はとても珍しく、なかなか見る事ができません。価値ある建築物として、文化庁が指定する登録有形文化財にも指定。二階、三階の窓から眺める瓦の波が、とても心地良く下町風情を感じられます。